NHK大河ドラマ「光る君へ」で主人公のまひろこと紫式部が白氏文集(はくしもんじゅう)の「新楽府(しんがふ)」【漢文】を学ぶシーンが登場!紫式部が白氏文集の「新楽府」を学んだのは史実なのか?ご紹介します。
光る君へまひろが白氏文集の「新楽府」に興味を示す?
道隆(井浦新)の死後、一条天皇(塩野瑛久)が次の関白にと命じたのは道兼(玉置玲央)だった。道兼は民の為によい政をと奮起していたが、関白就任の日に倒れ、七日後にこの世を去る。その頃、為時(岸谷五朗)の屋敷にききょう(ファーストサマーウイカ)がまひろ(吉高由里子)を訪ねてくる。次の関白は伊周(三浦翔平)か道長(柄本佑)かで内裏では話が持ち切りだと聞かされ…。夜、まひろが道長との思い出の場所へ行くと…
引用元:公式サイト
◆◇ #光る君へ 本日放送◇◆
第十八回「岐路」
[総合] 夜8時00分
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第18回では、兄の道隆が亡くなったことで、ついに道兼が関白に就任!
しかし病がもとで間もなく亡くなってしまうんです((+_+))
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【第十八回】岐路
本日5月5日(日)
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第1回でまひろは母を道兼に殺されてしまいました。
少なからず恨みを抱いていたものの、その訃報を受けて複雑な思いを抱くことになります。
道長は立て続けに兄2人を失くすことになりますが、史実通りですね。
そんなまひろは、弟の惟規から学生たちの間で「白氏文集」の「新学府」が流行っていることを聞きました。
興味を示し惟規に「新学府」を手に入れて欲しいとねだるまひろ。
「新学府」を手に入れたまひろは、それを写しながら政治のあるべき姿を学ぶことになる。
第18回ではそんな物語が描かれることになるようです。
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【第十八回】岐路
本日5月5日(日)
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そして気になるのは、白氏文集の新学府とは何なのか?
以降で、白氏文集の新学府についてご紹介します。
白氏文集の「新楽府」とは?白楽天の漢文の詩集!
「白氏文集」とは、中国唐の時代の詩人白居易(はくきょい)による漢詩文集です。
白居易は白楽天(はくらくてん)の名の方が知られているかもしれませんね。
白楽天は貧しい地方官の家に生まれましたが、官吏試験に合格し、中央政治の世界で活躍しました。
途中、権力者の憎しみを買い左遷されますが、のちには中央に戻り、71 歳で退官した経歴の持ち主です。
若いときから詩文を得意とし、多くの優れた作品を作りました。
そして74 歳の時(845年)に自らの詩文をまとめた「白氏文集」を完成させます。
古文の授業で習った方も多いかもしれませんが、白氏文集の中で一番有名なのは「長恨歌(ちょうごんか)」です。
唐の玄宗皇帝と楊貴妃の悲劇を詠んだ有名な詩。
「白氏文集」は前集と後集に分かれ全 75 巻、収録詩文数は 3840 編であったといわれています。
政治や社会などを批判・風刺した詩が多くあったようです。
そんな「白氏文集」の中でも、巻3、巻4は「新楽府(しんがふ)」と名づけられた詩が収められています。
今回「光る君へ」に登場したのがこれに当たります。
新学府とは、唐の時代に新しく楽府題(がふだい)を立てた詩のこと。
楽府とは、漢詩の一形式のことを指すようです。
学府が音楽に合わせて歌うことを目的としており、新学府も歌い演じられることを前提に作られました。
そのため、どの作品もリズミカルな詩になっているようですね。
白楽天が得意とした当時の政治や社会を批判した作品群(諷諭詩)に属し、50首が治められています。
しかし、白楽天の社会風刺にはいささか手心が加わっていると言われているそう。
批判が過ぎると文学として面白くなくなる。
手心が過ぎると文学作品としてもつまらなくなる。
そんなバランスを取った作品が「新学府」のようですね。
白氏文集の「新楽府」を紫式部が学んだ史実とは?
白氏文集の「新楽府」を紫式部が学んだ史実!一条天皇の中宮・彰子に講義
白楽天の有名な詩集「白氏文集」の「新学府」!
紫式部と「新学府」の関りですが、史実でも紫式部はこの詩を学んだとされています。
白氏文集は、848年以降に日本に伝来し、平安貴族の間で流行したそうです。
藤原行成が書写して一条天皇に献上し、紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」などにも影響を与えました。
ドラマのまひろこと紫式部は、後に一条天皇の中宮・彰子の女房となるのですが、その際に「新楽府」を講義したと言われているんです!
紫式部は藤原道長の命により、道長の娘・彰子に仕えることになります。
彰子は自らに教養が無いことを気にしていた様子。
一条天皇の前の妻・定子は教養深い女子で評判だったから。
それもあって、彰子は紫式部に漢詩を教えてもらいたかったのだと思います。
そこで紫式部が教えたのが「白氏文集」の新学府だったというわけ。
漢文を詠めないふりをしていた?
紫式部としては、あまり教養をひけらかすことは良しとせずにいたため、最初は漢文を詠めないふりをしていたそう。
しかし彰子が白氏文集を自らに読ませたりするのを見て、学びたいことを察した紫式部。
そこで、他の女房がいないときにこっそりと「新学府」を彰子に教えたそうです。当時は女性が漢文を使うことを良く思わない人もいたからと言う理由もあったようです。
そんなエピソードが紫式部日記に収められているんですよね!
そして「光る君へ」でも間もなくその彰子は登場予定です。
演じるのは見上愛さん!
◆◇◆◇◆
道長の長女。幼いうちに一条天皇に入内(じゅだい)し、定子と競う立場となる。まひろ(紫式部)は才を見込まれ、彰子のもとに宮中女房として出仕する。彰子は、一条天皇にふさわしい妃(きさき)になろうと努力を重ねる。#光る君へ pic.twitter.com/ySSxlUtXxu
— 大河ドラマ「光る君へ」(2024年) (@nhk_hikarukimie) April 23, 2024
本格登場はもう少し先になりそうですが、おそらくドラマの中でもまひろが彰子に新学府を講義するエピソードは登場することになると思います(^^♪
ちなみに彰子の夫・一条天皇が源氏物語を呼んで「この作者には【日本書記】の教養がある」と称賛したことから、紫式部は宮中で「日本紀の御局」と言うあだ名で呼ばれたそうです。ただ、この異名には女性が漢文を読むことへの揶揄を含んだために、紫式部は苦痛だったとのことです。
まとめ
今回は「光る君へ」でまひろこと紫式部が学んだ白氏文集の新学府について紹介しました。
白氏文集の新学府とは、唐の詩人・白楽天の詩集で、政治や社会を批判したものです。
のちにまひろは、一条天皇に入内した彰子の女御となり、この新学府を講義することになるのでご期待ください!
コメント
コメント一覧 (2件)
面白く拝見しました。
気になる変換ミスがあるかと思います。
定子は教養部会女子→教養深い女子
文中の「女御」はほとんど「女房」
ご存じとは思いますが、女御は天皇の妃の位、
コメントありがとうございました。また丁寧にご指摘ありがとうございます。修正しました。今後ともよろしくお願いします。